第五章 必殺技誕生!
◆窓ガラスを有効に活用
バック販売をするうえでとても役立つのが、車内の左右に大きく広がる窓ガラスです。バック販売をしていると当然ながら、後ろにお客さまがいらした場合に気がつかないことがあります。そんなときに、窓ガラスに映る車内で背後の状況を確認するのです。
もちろん常に後ろは気にしながらバック販売をしていますが、窓ガラスを鏡代わりに使うことで、目の届かない背後も含めた360度を把握することができ、
(あ、後ろでお客さまが席を立ったから、ぶつからないように気をつけよう)
といったように、背後にも配慮することができます。
また、この方法はバック販売をしていないときでも活用できます。たとえば、斜め後ろのお客さまが「あ、車内販売来たな」というふうに顔をあげた。そんな一瞬も窓ガラスを鏡にすれば見逃すことはありません。ときにはガラス越しにお客さまと目が合うこともあります。
このように、窓ガラスを鏡代わりにすることで、「車内での死角をなくす」ということができるようになりました。販売員として一番大切な要素の一つは、「買いたいお客さまに気付くこと」。そのためには少しでも死角をなくすことが必要なのです。
いままでは「すみません」と呼びとめられていましたが、バック販売を始めてからは車内から「すいません」の声が消えたのです。